わたくしたちの、曙

曙がボンヤスキーの右ハイに沈む場面を繰り返しビデオで見ています。ボブチャンチンVSフランシスコ・ブエノ以来の、胸の空くKOシーンであると、うっとりしながら。斧で巨木が倒れる。斧を操るのはわたくしたちとほとんどなんら変わりない、木こり。
I編集長は(紙プロR79号で)言いました。「ボンヤ(スキー)にとったらもう練習なんかする必要はないと。酒を食らって女を抱いて遊び呆けていても、リングに上がって一発跳び蹴りかましたらもうおしまいなんだよ」と。(命中率の低いジャンピングイハイも、曙みたいに的がデカければ、超当たるだろ、と。)
おっしゃる通りになりました。
しかし、倒れているのは木ではなく、江戸時代から始まり68人しかいない、横綱を張ったあの、曙なのです。歴史的に、奉らなければならない、すごい人。それをいっときでも忘れてはならないのです。谷川貞治(及びK-1)は金銭トレード*1のためだけに曙をK-1のリングに立たせているのかもしれません。しかし、わたくしたちに「こんなにでっかいのに、技ひとつでぽとんと沈む」という、たいへんなものを見せてくれています。この人、日本の国技のグランドチャンピヨンなのに。谷川、アンタ、何しとん、です。
ふつう、むり。そんなみっともないとこ、見せない。でも、やる。親兄弟家族が止めても、お金が要るから、やる。わたしたちが思ってる以上に、のっぴきならないから、やってる。そして、やられる。でもまた起きあがる。死んだりはしない。痛いけど倒れるけど、だいじょぶ。すごくじょうぶ。何かに、使える。(でも、勝ったら、勝てたら、もっと、もらえるのに!!!
たいへんだと思いますよ。わたくしたちは曙のことをもっと知る必要があります。なんなんだお前は、と。わたくしたちの心、ひとりひとりに曙はいるんです。一発でぽこんと倒れてしまう。でも、がんばらなきゃ。はだし、慣れてます。
さあ、今日も一日がんばりましょう。
(なんだそれ!!!

*1:しかしWWEは本当に曙を必要とするでしょうか?そりゃ、多少喋れたりはするでしょうけど。日本のプロレス団体にしたって、いらないでしょ。まけぼのなんか。