見た

MASK DE 41 [DVD]を鑑賞しました。
この作品は関わった人たちが次々に不幸に見舞われたことから一部では「呪いの映画」と呼ばれています。元凶は「お祓いの時に携帯電話を鳴らしたハヤブサ」と噂されています。(プチ詳細)結構見るの勇気要ったというかアレなんですけど。
再生してまずアレ?アレ?と音量をリモコンで上げ上げしました。ものそい台詞聞こえないんです。ボソボソしてて。これはプロレスと再会する前の主人公の覇気の無さを表してるのか、それとも後半のプロレスシーンを無理矢理活き活きさせるための演出なのか、と。うまいこと聞き取れませんでしたけどしょぼくれていることは伝わったのでした。
「底が丸見えの底無し沼・プロレス」に囚われた男達・にしては俳優陣はプロレス臭皆無(しかも豪華)であり、松尾スズキ氏が「この道を行けばー」とか言ってるだけで違和感で鼻の中がカピカピに乾きそうですが、これは「プロレスに興味のない人にも見耐えうるドラマ」にしたかったからなのかもしれないと思いました。かといってあっさりし過ぎているかといえばそうでもなく、プヲタに嬉しい仕掛けも多々ありました。(ジョージ高野とか!ふともも見て泣いたワ!)
クライマックスの田口トモロヲ氏とハヤブサ(役名忘れた)のプロレスシーン、いくら肉体改造をしたとはいえ本物のレスラーとぶつかれば素人さんはどうなるのか・ということを美しく撮ってらっしゃいました。トモロヲ氏は美しかったです。なんといっても皮膚感がもの悲しいのです。叩かれて蹴られて投げられて押さえられて揺れる、ピチピチとは言い難い中年の皮膚感に、わたしは猛烈に胸を打たれました。あと、ハヤブサが元気に動いてる…*1という別の涙も流れました。
そして「最後に笑うのは俺」みたいなプロレス的傲慢な終結もなく、ひっそりと物語は幕を閉じました。もはやプロレスファンにとってもプロレスはスペッシャルなものではなくなっているこの21世紀、プロレスは人生を救ったりの美しい奇跡は起こせないものに成り下がっていますが、かつてプロレスにはそういう力があり、今でもそれを信じる人もいる。「片足突っ込んじゃったら抜けられないんだよ」という台詞は凍みました。ひと騒ぎあったけど、特に何か変わったわけじゃない・でも… という空気はプヲタのわたしが見ていてとても居心地がよかったです。だから、この作品は当たらなかったのでしょう。プヲタが居心地良くちゃまずいだろうってんで。

そうそう、スタッフロールで「パーソナルトレーナーアニマル浜口」とあり、トモロヲ氏はアニマル浜口ジムでお鍛えになったのかなあと。それはプロレス的にとても正しいなあと思って。(ケビン山崎とか行っちゃだめですよねプロレスなんだもん)「田口さん、燃えているかーッ!」って激入れてもらったりしたのかなあと少しうっとりしました。

*1:ご存じない方のために:ハヤブサは試合中の事故で全身麻痺というひん死の重症を負われたのです。現在リハビリ中