EXPO 1970

公式長編記録映画 日本万国博 [DVD]

公式長編記録映画 日本万国博 [DVD]

今ならアマゾンで20%オフ。お買い得でございます。1970年の大阪万博の公式長編記録映画。約3時間のタイムスリップです。わたくしは69年生まれでございまして、開催時は残念ながらまだアブアブのベイビーでした。両親も万博観光を果たせませんでした。なにしろ開催時はわたくしが乳児としての魅力をいかんなく発揮していた時期でしたから。そして35年の月日が流れ、生まれたてだったわたくしはくたびれた中年になり、両親は仲良くアフター還暦生活をエンジョイしています。そして我が地元で開催されている愛・地球博にわたくしは大好きな友達と、両親はフリーパスを使ってこれまた仲良くゆるりと観光しています。「愛知万博、ゆるくて楽しいよ。みんなも来ればいいじゃん」などとあちこちで言い回っております。
しかしこの、画面から伝わる、35年前の、万国博覧会の熱たるや。平熱の高さたるや。脈の早さたるや。観光客皆熱にうなされてるような熱狂が激しさが画面から伝わって来ました。あおられてるというか、まくられているというか、わき上がるというか、ものすごい迫力です。肝の力が全然違うのです。
これまた各パビリオンの造形、そして何と言っても「太陽の塔」の力強さが。あの塔の大顔部分の「プンッ」とした顔が、なんともそそるのです。裏っ側の黒い太陽もクールです。シンボルの中のシンボル。塔の中の塔。どうしてあんなにもかっこいいのでしょうか。愛知万博の「大地の塔」でしたっけ?なにあれ!「どうせ比べられちゃうんだから逆にあっさりしてた方がいんじゃない?」とでも思ったのですか!そんなんじゃだめだ!もっと食い込め!塔ならばそそり立て!そそり立ってこその塔だろう!何だ、水とかタラタラ垂れ流しやがって!聞いてるのか藤井!いいかげんな仕事しやがって!…すいません、地元民としてつい、取り乱しました。「太陽の塔」のグレイトさに完全にノックアウトされ、つい不満を漏らしました。いや、あれはあれでやるだけやった結果だと思う。(フォロー
迷子になりこの世の終わりのような泣き方をする子供(迷子センターのオモチャ充実っぷりが素敵!)、「ケロヨン」の着ぐるみにゲラゲラ笑う子供、「月の石」を見て母親に「見えた?」と聞かれ、衝撃を受けすぎたのか、それの照れ隠しなのか、単に興味がないのか、呆け顔で鼻くそドリル掘りする子供、みんな今頃いい年になってらっしゃることでしょう。もう少し早く生まれていたらわたくしもこのフィルムに記録されていたかもしれません。(爆泣き迷子として
テーマが「人類の進歩と調和」ということで突っ込みにくい話(戦争関係)も表にバシバシ出していました。「人類」つうくくりなのでそれなりの覚悟を用意している感じで。「戦争、どうにかならないものかしら?」という出し物も多くあったようです。それらを見た上で「戦争してる国もあるけど、ここではみんなで握手をしようよ踊ろうよ」と。「この場所だけはピースだよ」と。人種入り交じって阿波踊りしてる場面はなんだかグッと来ました。ああいった空間を体感すれば意識は変わると思いました。
一方愛知万博は、「いま地球が大変でさあ」というアプローチなので「なんとかしたいけどいかんせんおれひとりのアレじゃどうにもなんないんだよね」つう甘えがあるような、甘えつうか漠然としてるつうか、「とりあえずなんとかしたいという気持ちはあるにはあるよ」という煮え切らない感じがするんですよ。そこらへんが熱を生まない原因なのかな、と思いました。行ってるわたしらが地球に対する意識がいいかげんだというのも含め。意識低くて申し訳ない。ごめん美しき緑の星地球。
とにかく勉強になりました。とてもいいものを見ました。もし、愛知万博行く前に見ておこうかな、という方がいらっしゃったら一応おすすめしておきます。この映画よりは人混み全然厳しくないです愛知万博は。それでも人気企業パビリオンは雨の平日でも2時間待ちがザラだそうですけど。
そういえば「せんい館」だったかしら、ホステスさんが「彫刻と映像と光でどうのこうので、内容には意味がありません。おわかりいただけてもいただかなくても結構でございます。」と身も蓋もない紹介をされていて、今こういうことなかなか言えないよなあと思いました。そう言ってもらえるとわたくしみたいなバカは救われますけどね。そこまで言われたら「わかんなかったけどおもしろかった」と言う準備があるってもんですよ。いい時代だったんですね。
35年後、ダイオキシンとかそういうので我々日本人は勃起力が弱くなったんだな、と。ちんこ持ってないくせにわかったようなこと言って申し訳ないですけど。ところで、モリゾーのあの頭にある2本、あれ生殖器だっつう噂です。みんな触りに来ればいいじゃん。