面白かった

職業欄はエスパー (角川文庫)

職業欄はエスパー (角川文庫)

びっくりしました本当に面白くて。「次読ませて」と家族に急かされていたのもありますが貪るように一気読みしてしまいました。日本に住む3人の有名エスパーの悲喜交々をドキュメントとして見つめる際の森氏(モリッシー)が抱く苦悩が描かれています。あくまでも森氏は冷静であろうフラットであろうと観察に挑んでいます。最高にクールです。手に入れる前想像した通り放送されたドキュメントも見たくなってしまいました。
わたしはアーリーMr.マリックにすっかり騙されたクチです。テレビのそばに塩と砂糖を置いてくださいとマリック氏(マギー司郎の兄弟子)が言い、素直に設置し、マリック氏が(本名:松尾昭)が「ハンドパワーをテレビ画面から送ります・砂糖と塩が更に甘くなったり辛くなったりします」と言い、なんやかやアクションがあったのち「わあほんとだ!砂糖すげえ甘い!塩すげえ辛い!」とか大騒ぎしました。のちにこれは人間の心理をついたトリックなのだと知り憤慨したものです。近年になりたまに「Mr.マリック(岐阜県出身)に挑戦!」というマジックの種破り種明かし要するに「ブック破り特番」を見掛けますが、マリック氏(岐阜工業高校卒)の顔を見るたび声を聞くたびあの超魔術に騙されはしゃいだ自分を思いだし赤面します。騙される方も悪いよと今なら思ったりできますし。だいたいわたしはプヲタだから騙されやすいですし(問題発言
以来わたしはなるべく不思議なことについて冷静でいたいと考えています。今はやりのスピリチュアル系のあれやこれやも「深入りしたら危ない」と思っています。倒錯する人達の気持ちもものすごくわかります。そういえば2年前あたり、「UFOて見たことないけど見られたらおもろいだろうなあ・本とか読んで詳しくなりたいなあ」と思ったことがあります。詳しくなったことによって脳になんらかの作用があって見られるかもしんまいと考えたからです。しかし、マイチョイスも悪かったのかUFO関連書籍の造りがあまりに稚拙で子供騙し的で相当に幻滅してしまったのでした。結局一番ためになったのはトンデモ超常現象99の真相でした。また騙された!(by前田日明)とは思うものの、まあしゃあないなと思います。希望を言えばやっぱりうまいこと騙して欲しいなとお願いしたいところです。不思議なことを見聞きすれば「わー」と言いたい準備があるし、明らかにインチキだったら馬鹿にもしたいし。結局好きか嫌いかと聞かれればわたしは不思議なことを見聞きするの好きです。
それにしても森さんは本当に凄い。わたしは昭和レスラーが大好きでそこらへんをだんなさんにやんわり嫌がられていたりするのですが悪役レスラーは笑う―「卑劣なジャップ」グレート東郷 (岩波新書 新赤版 (982))は門外漢もだんなさんもノンストップで読んでいました。とてつもない引力です。
そうだべんべん関係ないんですけど
ドキュメントの被写体として「清田くん」に依頼する場面、「超能力者はマスコミにとっては消耗品ですからね。飽きるまでさんざん嬲られて、飽きられたらあっさり捨てられることはわかっています」という清田くんのマネージャーの言葉に、例の亀親子が頭に浮かびました。あの子は多分そこらへん結構わかってるんだろうなあとか思いました。世の中にはせつないものがいっぱいあるなあと思いふける台風それた夏の朝でございます。