巨&小

金沢21世紀美術館で開催されているロン・ミュエック展に行ってきました。
http://www.kanazawa21.jp/exhibit/mueck/index.html

映画やテレビ番組用の模型作りの経歴をもつミュエックは、シリコンやファイバーグラスといった素材を駆使し、古典的な彫塑の手法を用いて、人間の身体を精緻な彫刻によって表現しています。長く綿密なプロセスを要する制作の中で、ミュエックは、素材やモチーフとの対話に全身全霊を捧げ、作品を完成させます。髪や皮膚の下の血管まで克明に描出する極限のリアリズムと、巨大であったり極小であったりするサイズの非現実性が交錯する作品世界は、現代社会における人間の存在性についての批評ともとらえられます。身体と精神、日常と非日常を横断するミュエックの作品世界は、「創造」と「人間の存在性」の関係という芸術における根源的な問題を我々に鮮烈に突きつけてくるでしょう。(21世紀美術館公式展覧会についてより

ネットで作品紹介画像を見ただけで相当な衝撃を受けたのですが、実物はさらに凄まじいです。目に入って来てすぐ受けるショックと恐怖すらおぼえるざわつきとで大興奮です。でかいのに小さいのに肉肉しいし、肉っぽいのに硬い建築素材でできているし。目の前に広がる皮膚があまりにリアルでサイズがおかしくて一瞬目が変になる感覚に多々なり、冷静に鑑賞するのはかなり困難です。惜し気なく使われた高質な材料、めくるめく手作業(彫塑型作り塗装研磨)莫大な手間と情熱から生まれた作品に大いに感動した次第です。本当に、でかいと怖いし小さいとまた怖いしで何と言ったらいいのかと。受け取った熱量がすごすぎたおかげで常設展で見た岐阜出身の段ボールの方や海洋堂外注任せの丸メガネの方の作品に全く何も思いませんでした。あまりに圧倒されたものですから・・・。でかい女性inベッドの展示室前で火ついたようにギャン泣きして鑑賞拒否してたぼうやが心配です。トラウマ級のでかさでした。
ロン・ミュエック参考
http://www.new-york-art.com/Mus-brook-RonMueck.htm
http://www.shift.jp.org/ja/archives/2003/05/ron_mueck.html

ロン・ミュエック

ロン・ミュエック